フランク・ロイド・ライト(1867-1959)は「落水荘」などの設計で知られたアメリカの建築家です。
落水荘の写真をみて またそのあと 先に紹介の京都国際会館を訪れて「建築家」になろうと思っていた時期もあります。

落水荘 アメリカ
国内に現在も残るライト設計の建物は下記4件です。
帝国ホテル本館 東京 千代田区→明治村 公開 ガイドあり
建設 大正12年(1923年)登録有形文化財
建て替えに伴いライト設計の建物は中央玄関部分のみ 愛知県犬山の明治 村に移築されています。
2:自由学園明日館(みょうにちかん) 東京 池袋 公開 ガイドあり
建設 大正10年(1921年) 重要文化財
羽仁夫妻が創立した自由学園の校舎として使用
3:旧中邑邸(現ヨドコウ迎賓館)兵庫県芦屋市 公開 ガイドなし
建設 大正13年(1924年)重要文化財
山邑(やまむら)太左衛門 は灘の酒造家 櫻正宗
4:林愛作邸 東京 世田谷 非公開
建設 大正7年(1917年)ごろ
林愛作は当時の帝国ホテル支配人
令和3年(2021年)から住友不動産の所有。
世田谷区が保存を呼び掛けているが未定。
公開の3件はいずれも訪問しているので これから3回にわたって紹介していきます。
まず最初は
「ライトの建築 其の一 帝国ホテル」です
帝国ホテル本館 東京 千代田区→明治村 公開 ガイドあり
建設 大正12年(1923年)登録有形文化財
建て替えに伴いライト設計の建物は中央玄関部分のみ 愛知県犬山の明治 村に移築されています。
2023年11月に明治村へ訪問
・・明治村は明治 大正の建築を移築し 1965年(昭和40)年に開村
現在65棟の建物があります
初代村長は徳川夢声氏 4代目現村長は阿川佐和子さん。
・・建築好きの私にとって明治村は興味尽きない場所です。一日では見切れませんでした。また別ブログでも紹介したいと思います。
外観
ロビー
ロビー2階から
窓の装飾 廂の装飾
帝国ホテル Wikipediaから
- フランク・ロイド・ライト 設計。
- 鉄筋コンクリートおよび煉瓦コンクリート造、地上3階(中央棟5階)、地下1階、客室数270。
- 1923年(大正12年)竣工。9月1日開館式。1968年(昭和43年)新本館建設のため解体。明治村へ移築 1976年(昭和51年)
「9月1日に落成記念披露宴が開かれることになったが、関東大震災が東京を襲ったのは、まさに宴の準備に大忙しの時だった。周辺の多くの建物が倒壊したり火災に見舞われたりする中で、小規模な損傷はあったもののほとんど無傷で、ライトの帝国ホテルはひときわ人々の目を引いた。ライトは二週間後このことを遠藤*からの手紙で知り、狂喜したという。」
・・・震災の救護の場所としても使われたそうです
この時用いた鉄筋を入れた構造はその後の建築に影響を与えました。
レンガ造り→鉄筋コンクリート造りの始まりです
1945年の東京大空襲で一部損壊。
*遠藤新 ・・ライトの愛弟子。帰国したライトに代わってホテルを完成させた。
タイルについて
玄関のタイル
まいまい京都の長楽館ツアー(2024年1月27日のブログで紹介)でのガイドの京都産業大学の二村盛寧さんの説明資料から抜粋
帝国ホテルの外観のタイルの色はライトの要望で黄色を指定
→アメリカから輸入する予定→非常に高額(建築費の6割)→国内で探していた。
→帝国ホテルの重役だった吉井吉兵衛が京都の自分の別荘=長楽館のタイルが黄色であることから申し出があった。
→生産者をさがしたところ滑床の久田吉之介のよることがわかり発注した。
→のちに直営の帝国ホテル煉瓦製作所に引き継がれ 技術指導は地元の伊奈家が引きつぎ 黄色のレンガを制作した。
→帝国ホテル煉瓦製作所はホテル完成後 伊奈家が引き継いだ。
→のちの伊奈製陶家具式会社→INAX→LIXILとなって現在に続いている。
・・・長楽館は普通の黄色タイルですが 帝国ホテルのは厚みがあり 縦縞のひっかき模様=スクラッチ模様がある煉瓦です
大谷石について
外壁の大谷石
大谷石(おおやいし)は栃木県宇都宮市大谷町付近一帯で採掘される軽石凝灰岩の石材です。
柔らかく加工がしやすいことから、古くから外壁や土蔵などの建材として使用されてきました。
大谷には 発掘跡が大谷石資料館として公開されています。
・・番外編として後日載せます。